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Orkney Visit (Aug. 2023)



Kirkwall Grammar School 訪問

日本文化・日本語教育の普及活動を活発に行っているスコットランドのオークニー諸島のセカンダリースクール、Kirkwall Grammar School の教員へ聞き取り調査を実施しました。また、S1 と S2 (Year 1 and Year 2 at Scottish secondary schools)の3クラスの生徒を対象に、日本語と折り紙のテースターセッションを実施しました。


この学校では、昨年度(2022-23)まで日本語を学ぶ機会がありましたが、今年度(2023-24)はスコットランドの外国語教育を取り巻くさまざまな事情により、学校で日本語を学習する機会がなくなってしまいました。そのような状況においても、日本語担当のフィオナ・ローティー先生は日本語教育に非常に熱心で、今回の私たちの学校訪問と聞き取り調査に協力してくださいました。 フィオナ先生が担任をされている教室には、日本語の教科書やワークブックが設置され、日本文化を伝える展示物が多く飾ってありました。このように、生徒が日本語や日本文化に気軽にアクセスできる環境を確保し、生徒が日本語や日本文化に触れる機会を維持しようと努めていらっしゃいました。


フィオナ先生とのミーティングでは、スコットランドの中等教育機関で日本語教育があまり普及していない理由として2つの問題が指摘されました。一つ目は、スコットランドの学業資格であるSQA(The Scottish Qualifications Authority)、いわゆるイングランド、ウェールズ、北アイルランドにおけるGCSE(General Certificate of Secondary Education)やAレベル(The Advanced Level)に当たる全国統一試験 (Highers, Advanced Highers) のModern Languageの科目として日本語が登録されていないことです。そして、2つ目は、日本語を教えられる教員の不足です。


①SQAのHigher / Advanced Higherに含まれているModern Languagesの科目

現在、SQAでは下記の言語がModern Languagesの科目として登録されていますが、日本語は含まれていません。

  • Cantonese

  • French

  • Gaelic (Learners)

  • German

  • Italian

  • Mandarin (Simplified)

  • Mandarin (Traditional)

  • Spanish

  • Urdu

一方、イングランドではGCSEやAレベルの試験科目として日本語があり、中等教育機関で広く日本語が教えられています。そのため、エディンバラ大学の日本学科では、イングランド出身の学生とスコットランド出身の学生の日本語レベルに差があり、卒業までこの差が埋まらない傾向にあります。


②日本語を教えられる教員の不足と制度的な教員養成の機会の欠如

スコットランドで学校教員になるためには、The General Teaching Council for Scotland (GTC)に認定・登録されている必要があります。GTCでは、外国語( Modern Languages)の教員になるためには、その外国語を話す能力だけでなく、大学で該当の単位を80単位以上取得していることと、対象の言語が話されている国に半年以上滞在した経験があることを条件としています。

日本語教員も同じ条件になりますが、残念ながら日本語だけでは学校教員にはなれません。上記の①のリストの中にある外国語の教員として採用されて、初めて日本語を第二外国語として教えることができるようになります。


スコットランドの大学で日本語の学位プログラムがあるのはエディンバラ大学のみですが、

残念ながらエディンバラ大学で提供されている日本学の学位プログラムは、SQAに科目として正式に登録されている外国語とのjoint degree (複数科目学位)がないため(MA Japanese / MA Japanese and Linguisticsのみ)、これらの学位だけではスコットランドの学校で外国語の先生にはなれません。


外国語教員としてGTCに認定されるための80単位については、Professional Graduate Diploma in Educationとして履修することも可能ですが、現在、スコットランドの高等教育機関では、このようなコースで日本語が含まれているものは提供されていません。もし、将来、このようなコースが開講されれば、既に学校で働いている正式科目の外国語の教員が第二外国語として日本語も教えられるようになりますが、そうした動きはまだ見られていないのが現状です。


カークウォール図書館での日本語と折り紙のワークショップ開催

Orkney Japan Associationのご協力を得て、オークニーのKirkwall Libraryで日本語と折り紙のワークショップを2回行いました。日本語と日本文化が大好きな小学生から社会人まで、さまざまなバックグラウンドを持つ方々が、BATJ Project 2の一環として開催したワークショップに参加され、私たちのプロジェクト活動に興味を示されました。


Orkney Island Council のCouncillorsおよびOrkney Japan Association 役員とのミーティング

Orkney Japan Associationの役員をされているオークニー諸島カウンシルのレズリー・マンソン議員(Councillor Leslie Manson)のおはからいにより、オークニー諸島カウンシル議長のグリアム・ベヴァンさん(Convenor Graham Bevan)にお会いすることができました。お二人とも元教育者で、現在カウンシルの教育部門の担当をされています。そのため、オークニーの教育現場にお詳しく、オークニーで活発に展開されている日本文化普及イベントや、学校での日本語教育などについてお話を伺うことができました。グリアム議長は2017年に国際交流基金が主催した日本の学校教育視察ツアーに当時のカウンシル教育部門の担当者として参加され、帰国後、Covid-19の影響で対面授業ができなくなるまでの約2年間に、オークニー各地の学校で日本語・日本文化に生徒たちが触れる機会を作る活動に尽力されました。ロックダウン終了後、学校でのこうした活動が止まっていることを残念に思われているとのことでした。


日本人を親に持つオークニー在住の子どもへの継承日本語教育

オークニー諸島に在住する学齢期の児童または幼児を持つ2人の日本人女性とお会いして、ご家庭での日本語教育をどうされているか、どのようなニーズをお持ちかについて聞き取り調査をいたしました。日本語補習授業校(補習校)はスコットランドにもありますが、オークニーにはなく、継承日本語として日本語を学べる学校や個人チューターについての情報がないという問題が話題にあがりました。補習校では日本語の学校で使用されている教科書を用いて日本語を学ぶため、日本語以外の生活言語圏で育つ日本にルーツを持つ子供たちにとっては、補習校の学習内容についていくことができなかったり、興味を持てなかったりすることがあることは、これまでにも複数の方々から話を伺っていましたが、UKの大きな都市に住んでいれば、比較的見つけやすい日本語の先生や学校が身近にないというオークニーの地理的な制約について具体的な悩みを伺う機会となりました。聞き取り調査をしたお二人には、後日オンラインで継承日本語教育を行っている団体などについての情報をお知らせし、BATJで継承日本語教育に関心を持っている会員の方に、本プロジェクトで得た情報をシェアしました。そこから、後日、BATJの継承日本語教育のSIG(勉強会)の設立につながりました。






 
 
 

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